先週、PUしたアヌラーダプラ(フェアリーS)は6着・・・。

デビューしたのは昨年9月に行われた第4回中山競馬6日目の新馬戦。オークスを制したシンハライトの姪でディーパワンサやガルヴィハーラの妹という筋の通った血統から牝馬ながら堂々の1番人気に支持されたのだが終わってみれば想像以上の大楽勝。好スタートを決めて前々で流れに乗ると抜群の手応えで4コーナーをカーブ。最後の直線では全く追うところなく34秒0の上がりを使って2着のダイワミラクルに1馬身半差をつけるという快勝劇でファンの期待に応えて見せたアヌラーダプラ。とはいえレースの走破タイムは1分37秒8。他の新馬戦と比較しても目立った数字ではないことから力があるのは理解しながらも次走が試金石になると考えていたのだが・・・その次走、2戦目も大楽勝。舞台は東京競馬場の芝1400m戦。新馬戦とは違って馬群後方でレースの流れに乗ったアヌラーダプラは4コーナーをカーブした時点でもまだ7〜8番手という位置取りだったものの最後の直線だけで全頭をブッコ抜くという荒技を披露。外から他の馬をねじ伏せるような走りは新馬戦の勝利がフロックでないことを証明するには十分な内容だったと言えるだろう。今回出走するフェアリーSは中山競馬場の芝1600mで行われる牝馬限定のG3戦。現在の中山競馬場の芝はどんなにペースが遅くなっても35秒以上の上がりを要するタフな馬場。それ故に能力が無いと勝つのは難しいが、能力があれば逃げても追い込んでも勝負は可能。紛れの多いコースではあるのは間違いないものの競馬が上手なアヌラーダプラの事だから多頭数となっても慌てず腰を据えてレースを運べる点は大きな武器となるだろう。先週の落馬で負傷した影響により過去2戦とも手綱を取った三浦皇成騎手が騎乗できない事や2戦目で少しカリカリした面を見せた事は心配な点ではあるが、桜の舞台で主役の座を争うためにはここで無様なレースは見せられない。良い内容＆結果を期待したい！〜と言うことでピックアップしたのだがまさかの結果に(汗)。ゲートを無難に出ると先団後方でレースの流れに乗ったアヌラーダプラ。勝負どころのでの手応えも悪くなく万全の形で最後の直線に向いたと思ったのだが、いざ追い出されても勢いはイマイチ。ジリジリと伸びてこそいたものの前との差を縮められずにいると坂を上ったところで脚が上がってしまったのだった。手綱を取ったルメール騎手によると1400mの方が〜という弁なのだが今の時点で1400mと言われても牝馬クラシック第1弾である桜花賞の施行距離は1600mであるのだから「はい、分かりました」とは言いにくい。洋芝フサフサである現在の中山競馬場の芝コースは普段と比べるとパワーとスタミナの要る馬場。施行距離よりも余分な距離適性が求められたのだと考えて前を向いて欲しい。とはいえ、このままだと桜花賞に出走すること自体が難しいのだから関係者にとっては頭の痛い敗戦になってしまったのは間違いない。


さてさて、そんな先週の回顧もこのくらいにして・・・

今週ピックアップしたいのは第1回中山競馬7日目に行われる京成杯に出走するクリスタルブラック。デビューは昨年の12月に行われた第5回中山6日目の新馬戦。スタートはイマイチだったもののイマイチだったスタートが幸い。内にスルりと潜り込んで中団でレースの流れに乗ったクリスタルブラックは向こう正面で外に持ち出されると勝負どころの3・4コーナーでは新馬らしからぬ豪快な捲りを披露。最後の直線で追い出された後は放たれた矢のような伸びを見せて優勝したのだった。芝1800m戦で1分53秒2という走破タイムに見るべき所はあまり無いものの先頭に立った後に手綱を抑えてゴールした姿は雰囲気あり。そんな彼が今回出走する京成杯は中山競馬場の芝2000mで行われる3歳限定のG3戦だ。快勝だったとは言え新馬戦で随所に見せていた若さ。素質が有るのは分かっているもののまだまだ競馬というものを理解するまでには至っておらず〜ということもあって管理する高橋文調教師も状態を見ながら・・・というニュアンスだったのだが最終的にゴーサインが出たと言う事は、勝算、もしくは思惑があっての事だろう。デビューして約1ヶ月後に出走する2戦目のレースでG3に挑戦と言うことで心配な面は多々あるものの、あえて上のレベルに挑戦する事であぶり出される課題もあるハズ。勝てれば最高だが勝てなくても将来に繋がるような可能性のある競馬を見せて欲しい！